最高裁判所第二小法廷 昭和23年(れ)1852号 判決 1949年5月07日
主文
本件上告を棄却する。
理由
辯護人高野貞三上告趣意第二點について。
三食者外食券は、勿論外食の際代金は支拂わなければならないが、それがあれば引換えに主食類を入手することができるもので、財産權の目的になるから、刑法第二四六條第一項の財物である。それ故これを騙取した所爲に對し同條第二項ではなく第一項を適用した原判決は正當である。(その他の判決理由は省略する。)
以上の次第であるから、刑訴施行法第二條舊刑訴第四四六條に則り主文のとおり判決する。
右は全裁判官一致の意見である。
(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重)